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12 July 2007

イノチ

7月11日(水)

月曜の夕方。
アルル〜パリから成田に着いて、
両親に電話をかけた。
すると、叔父と同居している祖母が、家の中で転んで足を痛めて入院したという。
僕の自宅から歩いて行ける、すぐ近くの病院だ。

僕が生まれたのもこの病院。
祖父が亡くなったのもこの病院。
妹やイトコ達が生まれたのもこの病院。

今週末は、祖母の90歳の祝いをする予定だったから、
残念に思った。
時差ボケと、休み明けの仕事の折り合いがついたところで、
見舞いに行こうと思っていた。

ところが今日の夕方、妹から電話がある。
容体が急変したので、病院に来れるか?と言う。
脳梗塞の可能性が有るとのことだった。

僕は自称「おばあちゃん子」で、
親の言うことはあまり聞かなかったけど、
ばあちゃんの言うことは、いつも聞いていた。
高校3年生の夏休み、若気の至りで親子げんかして家出した時も、
「そろそろ帰ってあげたら?」
と、ばあちゃんに言われると、
素直に家に帰ったっけ。

スグに会社を出た。

途中、父からも電話があった。
「とにかく来なさい。」
「分かってるよ。もう向かってるから。」
どうやら、医者に家族を呼ぶよう言われたらしい。

病院に着くと、叔父叔母いとこ達もいる。
祖母は検査中で病室にはいなかった。

何が起きたのか?話を聞きながら待っていると、
ベッドに寝かされた祖母が戻ってきた。
意識はないけど、ちゃんと息をしている。
それまで、いまいち現実感がなかったのだけど、
姿を見るとドッと涙が出てくる。

「処置がありますから」
ということで、またしばらく病室の外で待っていた。
さっきは食欲がなかったけど、腹が減っておにぎりをかじる。

「処置」が終わったので、病室の祖母を覗いてみた。
いてもたってもいられなくて写真を撮った。
撮っておかなきゃと思ったのだ。
病室に入って祖母の手に振れてみた。
少しだけ温かかった。
その手も撮った。

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医者の話では、しばらくこの状態が続きそうだという。
しばらく手を握って、
「おばあちゃん、がんばってね。」
と声をかけた。

父が手術した時もそうだったけど、
どうして僕は、こんな時に撮るんだろう?
ばあちゃんのイノチを撮っておきたかったのかな?

悪趣味だって思う人もいるだろう。

でも、
今日、今、この時。
ばあちゃんは生きている。
この事実も書いておきたかった。

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