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06 July 2007

「涙が出そうだった」

・・・つづき。

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今日もキャンセルです。
急遽、ベネトンのcolors magazineの編集者、
Mauro Bedoni氏(イタリア人)にレビューとなる。
ひゅぅ〜、大物だなあ。

今日は、小型のカメラを回す。
昨日、注意されるまで、持ってきていたのを忘れていたのだ。


interestingだそうです。
「ふ〜ん、おもしろいね。」
ってところだろう。
この方からは、しきりに
「さあ、この写真について説明して。」
「この構成の意味を説明して。」
と言われる。

メモには、
Just try to be more clear in the expression of your meanings.
Try to make a longer series of photos covering a wider range of subject.
When you find a picture that works,
drag the other and continue working on the style
you formed stronger, such as the low light pictures.
とある。

説明を求められるということは、写真にパワーが足りないこともあるけれど、
気がついたことがある。

上に書いてあるとおり、自分の中で自分の写真への整理がついていないのだ。
語学力が不足しているだけに、質問への答えは、
極めてシンプルになる。
だけど、自分の姿勢がはっきりしていれば、
中学生レベルの英語力でも、伝えられたはずだ。
日本語では、レトリックで辻褄を合わせられても、
芯がぶれていれば、相手を納得させることはできないし、
写真もメッセージを持たない。


そしてもうひとつ。
ここ、アルルにやってきて、彼らと話をする目的意識が希薄だということ。
昨日、4人の専門家からアドバイスをもらった。
いろいろな質問をされた。
でも、彼らに質問をしていない。
「もちろん、おいらの写真ってどう?」
は、あたりまえのことだ。
問題は、その先だ。
欧米の一流の専門家と話すチャンスを得て、
一体、何を得ようとしているのか?なのだ。

思えば、
「ヨーロッパで、写真展をやる気はありますか?」
「写真以外の仕事から離れたいのですか?」
「東京から出て、別の場所で写真を撮り続けたいですか?」
というような質問があったが、
これは、ここアルルで「おれに何を聞きたいのだい?」
と、親切に手を差し伸べてくれていたのではないか?

あたりまえのことと思う方は大勢いるだろう。
けど、体験しないと自分には理解できなかった。

超一流のみなさんのおかげで、
こんな初歩的なことに、ようやく気付くなんて・・・。
くくく。
卑下ではなく、ちょっと笑ってしまう。

あさって、残りの5人と会う。
ここに毎日綴ることで、
聞きたいことがはっきりしてきた。

さて、そうこうしているうちに、
渡部さとる師匠のレビューが終わった。
今朝、おいらの大好きな、あのヒゲを剃り落として、
強い決意で臨んだ師匠。
興奮の様子だ。

「s子さん、大活躍だったよ!!」
イタリア人のフォトグラファーguido(我々と同じくレビューを受けに来た)
に連れ添って会場に来ていた、在ジェノバ日本人女性だ。

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師匠のレビューの相手は、イタリアの女性編集者。
s子さんは、英語とフランス語は苦手だが当然イタリア語はペラペラ。
師匠と編集者の様子を気にかけていて、通訳をしてくれたのだ。

そして、
traverseが大絶讃だったらしい。
詳しく説明するまでもなく、
生まれた場所から離れ、また生まれた場所へ戻ってゆくという、
師匠の構成意図を理解し、高く評価してくれたと。
イタリアで日本人の写真を扱っている人物に紹介をしてあげよう、
とまで言ってくれたそうだ。

「紹介がうまくいかなかったとしても、
理解してもらえたことが嬉しい。涙が出そうだった。」
と顔を紅潮させて師匠は語った。

何しろ、彼女はヨーロッパ・ベスト・エディターに選ばれたほどの超一流編集者なのだ。

Traverse

ここをお読みのみなさま。
「ヨーロッパ・ベスト・エディター絶讃」のtraverseは、
7月6日発売でございます。

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Comments

>一体、何を得ようとしているのか?なのだ。

レポートを読みながら緊張して、同時に頷いています。

考えがグルグル回りながら、以前に休さんが自問していた、「何のために写真を撮っているのか」という問いに戻ってきます。
原点あるいはベースになるものは何か、ということだと思いました。

Posted by: ろくろく | 06 July 2007 at 11:12 AM

アルル日記
ずっと読んでます。
私が「涙が出そうです」
なんかうまくいえないんですけど、いい日記ですね。私もがんばらないとって思わせてくれることが沢山書いてあります。
だから感謝。

Posted by: 沙絵 | 06 July 2007 at 11:47 AM

毎日、自分が写真を見せに行っているかのような、こちらまでドキドキと緊張感が伝染してきます。
traverseがとっかかりで、TOKYO LANDSCAPEも向こうで出せるかも。ですね。ドキドキ。

Posted by: さるぢえ | 06 July 2007 at 01:13 PM

良かったですね、
日本で経験する数年分、もしかすると10年分くらいの
経験に匹敵すると思います。
これからの休日郎さんの写真と写真論・・
楽しみです。

Posted by: コグレ6 | 06 July 2007 at 01:16 PM

何の目的意識を持って撮っていて結局なにをこれからしたいのだ?ということですかね。それにしても凄い経験をしていますよね。視線が拡がっただけでも素晴らしい。やっと読むのにも疲れなくなってきましたよ。

Posted by: 石氏 | 06 July 2007 at 04:10 PM

深く大切な話がさらさらと語られていて、なんだかアルルに行かれた人たちが一回り大きく、そして遠い存在のように感じてきました。
帰ってきたら江古田で気軽に話を聞かせてください。

Posted by: Swing75 | 06 July 2007 at 08:49 PM

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Posted by: 一般事務 | 07 July 2007 at 07:34 PM

I was curious if you ever considered changing the layout of your website? Its very well written; I love what youve got to say. But maybe you could a little more in the way of content so people could connect with it better. Youve got an awful lot of text for only having 1 or two images. Maybe you could space it out better?

Posted by: clean carpet | 14 October 2014 at 06:28 PM

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